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ー外壁塗装の業者選び完全ガイド|見積書の見方から失敗回避のチェックリストまでー

外壁塗装の業者選びの基本方針
外壁塗装の満足度は「誰に任せるか」で大きく変わります。価格だけで決めると、下地処理の省略や工期短縮で数年後に後悔することも。まずは“地元での実績”と“工程の可視化”を軸に、比較の土俵を整えましょう。ここでは初心者でも判断しやすい基準を、具体的な行動に落とし込みます。
相見積もりは最低3社が基本
価格の妥当性と仕様差を把握できます。近すぎる金額は仕様が似ている可能性が高く、極端に安い1社は要注意。見積り依頼時に「同条件での比較」をお願いし、後出しで仕様を変える提案には慎重になりましょう。
自社施工か下請け中心かを確認
自社施工は指示伝達のズレが起きにくく、工程管理やアフターが一本化しやすいメリットがあります。下請け体制でも、現場管理者が明確で報告が適切なら問題ありません。体制と責任の所在を事前に可視化しておきましょう。
見積書で必ず確認する5つの要素
見積書は“設計図”。ここが曖昧だと、現場での解釈次第になりやすく品質のブレに直結します。次の項目はすべて明記してもらい、各社同条件で比較してください。曖昧さを潰すことが、結果的にコストダウンにもつながります。
塗料名・等級・メーカー・期待耐用年数
「シリコン/フッ素/無機」などのグレードだけでなく、製品名まで必須。期待耐用年数の根拠(カタログや実績談)も確認します。艶の度合い(艶あり~艶消し)も最初から指定しましょう。
塗布量・缶数・希釈率・塗り回数
規定塗布量と充当缶数が合っているかは重要ポイント。上塗り2回が基本ですが、下地の種類や劣化度合いで中塗り+上塗りの設計が変わります。希釈率の幅もカタログ値に沿っているかをチェック。
下地処理(高圧洗浄/ケレン/ひび補修)
どの面をどの番手でどの程度まで行うか、ヘアクラックはフィラー、構造クラックはUカット+シーリングなど、具体の工法名まで明記が理想です。モルタルかサイディングかによって標準が異なる点も押さえます。
シーリングの範囲と仕様
「打ち替え」か「増し打ち」かで耐久が大きく変わります。目地・開口部・付帯取り合いなど部位別に数量と仕様を分け、プライマーの使用や乾燥時間の確保も記載してもらいましょう。
付帯部・足場・諸経費の内訳
破風・鼻隠し・雨樋・水切り・庇・シャッターボックスなどの塗装有無、カラー、工程。飛散防止メッシュや養生範囲、近隣挨拶、清掃・残材処分まで含まれているかを確認します。
“信頼できる会社”のふるまいチェック
書面上は良く見えても、現地対応で実力は露呈します。現地調査の姿勢、写真報告、工程説明の一貫性は、工事品質の予測指標です。会話の中で、次のポイントを観察しましょう。
現地調査の精度
屋根・外壁・付帯・基礎・バルコニー防水までチェックし、劣化箇所を写真と数量で把握。梯子を使い上部のシーリングや取り合いも確認する会社は、施工中の“想定外”が少なく仕上がりが安定します。
写真報告と工程管理
「着工前/下地処理前後/下塗り/中塗り/上塗り/完了」の各工程で写真を撮り、アルバムやクラウドで共有してくれる会社は透明性が高いです。天候順延時の判断基準(気温・湿度)や、塗り重ね乾燥時間の説明が具体的かも評価軸に。
コミュニケーションの速さと誠実さ
質問に対して即答できない場合も、後から根拠資料を添えて回答してくれるか。工期の都合が悪いときに無理をしない提案(順延)をしてくれるか。短期的な利益より品質を優先する姿勢を見極めます。
避けたい業者のサイン
一見魅力的でも、長期視点ではリスクが高い“危険サイン”があります。すべてがアウトとは限りませんが、複数当てはまる場合は再検討をおすすめします。
極端な値引きと即日契約の圧力
「今だけ」「本日限定」の大幅値引きは、工程や塗布量での帳尻合わせの可能性があります。冷静に持ち帰り、仕様を横並びで比較しましょう。
異常に短い工期・人員の説明不足
標準的な戸建てで実働5〜7日程度は必要。短すぎる工程は乾燥時間の省略が疑われます。日ごとの担当人数や進行計画を示せない場合は要注意です。
塗料等級の曖昧表示
「高耐久シリコン相当」など、製品名を出さずに等級風表現でごまかすケース。メーカー名・製品名・艶・色番号まで明記してもらいましょう。
失敗しない比較手順(実践テンプレ)
情報のバラつきを揃え、誰が見ても同じ結論にたどり着ける“比較の型”を用意します。表に落とし込むことで、感覚に振り回されず冷静に評価できます。
スコアリング表の作り方
評価軸例(各5点満点)
・仕様の明確さ(塗料名/塗布量/工程)
・下地処理の具体性(補修工法・数量)
・写真報告と品質管理の仕組み
・価格妥当性(坪単価・含み費用)
・保証・アフター(年数・点検回数)
・担当者の説明力・レスポンス
合計点+メモで最終判断します。
現場見学とOB施主の声
近隣の施工中現場を見学できるか、過去施主の声(実名・地域・築年数)の提示があるかは信頼の指標。可能なら完了後1〜2年の家を見せてもらい、汚れ・艶・付帯の状態を確認しましょう。
契約前の最終確認項目
・色番号・艶・配色比率
・塗り重ね乾燥時間(気温別)
・天候順延時のルールと連絡方法
・近隣挨拶の範囲と実施日
・追加費用が発生する条件(数量差・補修範囲)
これらを契約書または仕様書に反映させます。
見積もり依頼の文面テンプレ(コピペ可)
内容を統一して依頼すると、横並び比較がスムーズです。以下をベースにメールやフォームで送ってください。業者側も要件が明確だと精度の高い見積りを出しやすくなります。
依頼テンプレート
・物件情報:木造2階建て/延床○○㎡/外壁:サイディング
・希望仕様:シリコン(またはフッ素等)/艶(5分艶希望)
・必須記載:製品名・メーカー・期待耐用年数・規定塗布量・缶数・希釈率・下地処理方法・シーリング(打ち替え/増し打ち)・付帯部範囲・工程日数・写真報告
・現地調査候補日:○/○(○)午前・午後/○/○(○)午前
・その他:天候順延時の対応、保証年数と範囲、アフター点検の時期
保証とアフターで“安心の持続”を買う
工事完了がゴールではありません。保証書の発行、定期点検のスケジュール、色番号と工程写真の台帳化は“次回メンテの保険”になります。会社として仕組み化されているかを最後に確認しましょう。保証が長いだけでなく、対象範囲(色あせ・剥がれ・シーリング等)と免責条件が明確であることが肝心です。
まとめ:仕様の可視化×現地対応=後悔しない業者選び
外壁塗装の業者選びは、価格より“中身の比較”が決め手です。製品名・塗布量・下地処理・乾燥時間・写真報告・保証。この6点が明確で、現地調査と段取りの説明が一貫していれば、大きな失敗は避けられます。相見積もりは3社、同条件で横並び比較。スコアリング表で定量評価し、契約前の最終チェックを漏れなく。ここまで整えれば、仕上がりの美観も耐久も“納得のいく一択”に自然と収れんします。
